どうも、おかきぱんです。
今更ですが、コロナウィルス対応融資が12月で終了となるため、最終確認で概要と要件を説明します。
各都道府県によって商品が違い、各自治体でも独自の商品を出している場合があります。
全体を書くと内容の薄い記事になってしまうため、
今回は埼玉県の民間金融機関が取り扱うコロナ資金に特化して説明をします。
それでも全国で似たような取り扱いのため、
気になったら自分の地域の詳細を調べて見てください。
調達できた方は実際どのような商品だったのかを再確認するため、
要件に当てはまらなかった方は銀行担当者によっては把握していない抜け道的なことまでを説明していきたいと思います。
この記事をみれば今回のコロナウィルス対応資金についてはしっかりと理解できると思います。
まずは利用できるかできないかが先に気になる人はこちら
- コロナ資金を調達できたけど、実際よくわかっていな
- いわゆる無金利型コロナ資金調達したからもう使えるものないでしょ?と思っている方
- 公庫でコロナ資金資金調達したし、もう借りれないでしょ?と思っている方
- コロナ資金申込準備したけど要件に当てはまらないと言われてしまった方
コロナウィルス対応資金の種類と概要
コロナウィルス感染拡大に伴い、中小企業支援策として普段より条件の良い制度融資が発表されました。
民間金融機関の取り扱いに関して、最初は9月末で終了予定でしたが、
現在は12月まで延長され、まだ取り扱いが続いています。
ここで12月としているのは住んでいる地域によって取り扱いが異なるからです。
コロナ資金利用に必要な認定の取得期限が12月1日であったり31日であったり地域によって様々です。
早めに動くか、事前に確認をしておきましょう。
コロナ資金は日本政策金融公庫(以下、公庫)・商工組合中央金庫(以下、商工中金)と保証協会を利用した民間金融機関(以下、銀行・信金)の3つの取り扱いがあります。
また、コロナウィルス関連資金を利用するには以下の4つの前提に当てはまる必要があります。
- 創業3ヶ月以上で、県内に事業所を有している中小企業者
- 信用保証対象業種を営んでいる
- 事業税等を滞納していない
- 事業に必要な許可証・登録を受けている
中小企業者とは資本金3億円(卸売業1億円、小売業・サービス業5000万円)以下または従業員300人(卸売・サービス業100人、小売業50人)のことを指します。
この記事では保証協会を利用した民間金融機関(銀行・信金)のコロナ資金について説明します。
利用の流れ
民間の金融機関では保証協会を利用してコロナ資金の制度融資を貸出しています。
公庫や商工中金でコロナ資金を利用したからもう利用できないと思っている方もいますが、
銀行・信金は別枠のため、銀行・信金でも借入をすることができます。
一方で、どこかの銀行・信金でコロナ資金を調達した場合は保証協会の利用枠を消費し、
その利用額部分は他の銀行では使うことができません。
コロナ資金を利用するにはどの金融機関で申し込んでもやらなくてはならない手順があります

- 最初に売上減少に応じた認定書を取得します。取得する場所は住んでいる地域によって違いますが、基本的には市役所の◯◯商工課、◯◯産業課だと思います。さいたま市は産業創造財団になります。
- 認定を受けたら銀行・信金で保証協会への申込に向けた書類を記入します。銀行・信金の受付印が必要なため保証協会に直接申し込むことはできません。
- 保証協会で審査を行います。
- 保証協会の結果を元に銀行・信金での審査をします。銀行・信金で可決が降りれば契約をし、融資が着金になります。
必要書類としては認定書発行の段階で申請書2枚、売上減少の確認資料商業登記簿藤本も3つが必要になります。
売上減少の確認資料は地域によりますが、手書きのものでも受付可能なところもあります。
また、本来は事業税納税証明書や印鑑証明書も必要ですが緊急事態のため簡素化されました。
本社登記と事業地が違う場合には公共料金の引き落としや事業地の賃貸借契約書写しなど
その場所で事業を行なっていることがわかる書類を2点添えると
事業地の役所で認定を取得することもできます。
その後は銀行・信金で書類を記入しますが、
法人の場合は法人と代表者、個人事業主の場合は本人の実印が必要になるので、
持参して申込しましょう。
セーフティネットと保証の種類
コロナ資金は売上の減少率で使える商品が決まります。
まずはその減少率と認定の関係について説明します。
ここで知って欲しいのは認定はセーフティネット保証の認定であり、
今回のコロナウィルスの影響時以外にも発令され、
利用できる商品が登場する可能性があるということです。
つまり、今後のメリットとしては今回の調達資金を借換できる可能性があります。
逆にデメリットとしてはすでに枠を利用しているため追加調達の枠が減ってしまうことです。
私は個人的には危機関連保証の枠を案内して今後災害等受けた際に枠を圧迫しないような調達方法を案内しています。
一般保証
保証協会は原則として100%金融機関の融資額を保証していました。
平成19年10月から導入された「責任共有制度」により、
一部の保証を除いて金融機関に20%の責任負担が生じることとなりました。
今までセーフティネット保証(1〜4号、6号)を利用したものと
小規模事業者向け・創業者向けの資金は100%保証協会が保証している資金となります。
その他は保証協会80%、金融機関20%の保証での取り扱いになっています。
枠自体は2億8000万までですが無担保での取り扱いは原則8000万までとなっています。
それ以上は一定の要件を満たすか有担保での取り扱いとなります。
セーフティ5号保証<セーフティネット>
普段は特定の業種に向けて発令されるセーフティネットです。
何かの理由で全国的にその業種の売上減少が懸念される時に発令されます。
最近の例だと東日本大震災の時に発令されています。
今回のコロナウィルス影響では売上が5%以上減少している場合に認定の対象となります。
本来は影響のある業種ですが、コロナウィルスは殆どの業種に影響があったため、
殆ど全業種が対象になっています。
枠自体は2億8000万までですが無担保での取り扱いは8000万までとなっています。
危機関連保証<セーフティネット>
内外の金融秩序の混乱が生じ、リーマンショックや東日本大震災と同程度に経済危機が予想される時に発令されるセーフティネットです。
平成30年4月に施行され、コロナウィルスの影響に伴い初めて発令されました。
売上が15%以上減少している場合に認定の対象になります。
枠自体は2億8000万までですが無担保での取り扱いは8000万までとなっています。
セーフティ4号保証<セーフティネット>
普段は特定の地域に向けて発令されるセーフティネットです。
突発的災害(自然災害など)で売上減少が予想される地域に発令されます。
最近の例だと令和元年の台風19号でも発令されています。
今回のコロナウィルスでは売上が20%以上減少している場合に認定の対象となります。
こちらも5号と同様にコロナウィルスが全国的に影響があるため、全地域が対象となっています。
枠自体は2億8000万までですが無担保での取り扱いは8000万までとなっています。
利用枠の考え方

国や自治体のページでは2億8000万と記載されていますが、
実際現場で使うのは無担保枠の8000万円です。
また一般保証は保証協会の普段利用で使っているため、
今回のコロナ資金で考えるのは4号8000万・5号8000万・危機関連保証8000万の計2億4000万円です。
ここで注意点がこれから説明する新型コロナウィルス感染症対応資金は
4号・5号・危機関連保証どの保証でも申請することができるため、
利用した保証の利用枠を消費してしまいます。
商品の種類
コロナウィルス関連商品は売上の減少率に応じて使える商品が決まります。
認定を取得して申請する商品は最小で5%以上売上が減少していれば使えるようになり、
15%、20%の減少率段階が設けられています。

新型コロナウィルス感染症対応資金
最大4000万円まで3年間は無利息、それ以降は1.4%か1.5%で資金を調達でき、
保証協会に支払う保証料も免除になっている商品です。
売上が15%(個人事業主は5%)以上減少していないと無金利期間の利用ができません。
また、利用に使う認定はセーフティ5号・危機関連保証・セーフティ4号どれでも対応しています。
埼玉県のコロナ資金の目玉商品ですね。
私はこの資金を無敵の資金と呼んでいます。
- 一定期間無利息で借入でき、据置き期間(元金の返済がない期間)が5年まで取れる
- 既存の借入をまとめることができる
- 役員への貸付や借入が一定以下であり、資産超過であれば保証人を免除することができる
- 保証協会への保証料の支払いが免除されている
- 審査が寛容
「期間最大10年・無利息・借入1本化・保証人なし・保証料なし・調達しやすい」
といいことしか揃っていない融資です。
最大借入期間は10年ですが、据え置きを5年使った場合には残り5年で返済するといった形になります。
認定が3つとも使えますが、使い分けの説明を借入のまとめ(借換)とともに説明します。
- セーフティ4号や特定の保証を利用した借入→セーフティ4号で一本化(4年目以降1.4%)
- 純粋に運転資金を調達する場合→セーフティ4号、危機関連保証で調達(4年目以降1.4%)
- 他保証を利用した借入→セーフティ5号で一本化(4年目以降1.5%)
先程説明した「責任共有制度」の兼ね合いもあり、このような取り扱いになっています。
セーフティ5号認定は売上が5%以上減少していれば取得でき、
一見無金利型対象外の認定に思えますが、
15%以上減少していればセーフティ5号認定でも無金利で取り扱いをしてくれて借換ができてしまうんです。
まだコロナ関連資金を利用していなくて、借入は増やしたくないけど、
一本化して返済負担を減らしたいと考えている方はまずはメインバンクに相談してみてください。
限度額がわかりづらいので、利用枠で説明した具体例を挙げておきます。
この資金をセーフティ4号で4000万調達した場合は
経営安定のセーフティ4号で残り4000万、経営安定のセーフティ5号で8000万調達できるといったイメージです。
・期間3年(据置なし)で借入すれば、全く費用がかからずに借入ができます。
利息、保証料、印紙代全て免除です。調達して置いとくだけも調達の価値あり!
経営安定資金
経営安定資金は認定の種類によって2つの商品があります。
無担保では最大8000万円まで、2つの商品合わせて計1億6000万円まで調達することでがきます。
売上は15%以上減少(危機関連・4号)で災害復旧の0.5%、
5%以上(5号)で特定業種の0.6%のものが利用できます。
保証料がかかるので、嫌厭している方も多いですが、
無金利型を10年間うち3年間据置で4000万借入した場合と
この商品を10年間据置なしで4000万借入した場合では
金利と保証料の総負担額は60万〜70万しか差がありません。
年に均すと6〜7万の費用負担差のため普段の商品よりは条件いいのは間違い無いので、
あまり嫌厭せず利用することをおすすめします。
・無利息型よりは費用がかかるけども、そこまで多額の差は無い。期間10年で運転資金を調達できることは普段ほとんどないため、今後調達の計画があるなら使っておくのも一手!
経営あんしん資金
売上減少要件に当てはまらない方向けの商品です。
利用する要件は「最近1ヶ月間の売上等が前年同月比で減少していること」
または「今後1ヶ月の売上等が減少する見込」の場合です。
減少するい見込なので売上が実際に減少していなくても見込の申告で利用ができる為、
実質だれでも利用できる商品になっています。
「経営あんしん資金」は普段からある商品ですが、今年度は金利1.3%・期間7年までの取り扱いでした。
しかしコロナウィルス影響に備えて、
金利0.8%(▲0.5%)・期間10年での取り扱いとなっているため他の商品には見劣りしますが、
通常よりはお得な取り扱いになっています。
・他には見劣りするけど、普段よりはお得になっている。これで調達しとくのもあり!
コロナ資金を利用するための要件
商品とセーフティネットについて説明しましたが、そもそも減少率ってどこを比較するの?
を説明します。
通常要件
通常要件は「最近1ヶ月の売上」とその「前年同月の売上」の売上を比較します。
今年の9月売上で申請する場合は昨年の令和元年9月の売上と比較して申請します。
「最近1ヶ月」の定義ですが、売上集計が終わっている今の月から1〜3ヶ月前で判断してくれます。
現場感では最近は厳しくなってきて1〜2ヶ月前までしか認めてくれないケースも
増えていきています。あくまで自治体の判断によります。
1番の目玉の無利息型は減少率が15%(個人事業主は5%)以上であれば利用することができます。
緩和要件
最初は創業して間もない方のために設けられていた制度ですが、
業種間格差が生じる為事業規模が拡大している事業者に対しても適用されるようになりました。
事業規模拡大の定義は各自治体(認定を出す機関)によって異なってきてしまいますが、
一般的には取引先が増えたや受注量が増えたなどの口頭聞き取りで対応してくれるケースが多いです。
緩和要件は3つあります。
- 最近1ヶ月の売上が令和元年12月の売上と比較して減少している
- 最近1ヶ月の売上が令和元年10月〜12月の3ヶ月平均の売上と比較して減少している
- 最近1ヶ月の売上が最近3ヶ月の売上平均と比較して減少している
例えば、売上推移がこんなケースで見てみます。

通常要件では「昨年9月:100<今年9月:110」でコロナ資金を利用できません。
しかし、この会社は昨年より取引先が増え毎月の売上が大きくなっていて、事業規模拡大中です。
そこで、緩和要件を見て見ると
- 緩和①=元年12月:120<今年9月:110 →利用不可
- 緩和②=元年10〜12月平均:96.6<今年9月:110→利用不可
- 緩和③=今年7月〜9月平均:130>今9月:110→売上減少率15.3%で利用可能
緩和要件③で利用できることが判明しました。
売上減少率15%以上のため無利息型の借入も利用できます。
どれにも当てはまらない場合
通常要件・緩和要件に当てはまらない場合は「経営あんしん資金」を利用するしかありません。
「経営あんしん資金」は普段からある商品ですが、今年度は金利1.3%・期間7年までの取り扱いでした。
しかしコロナウィルス影響に備えて、
金利0.8%(▲0.5%)・期間10年での取り扱いとなっているため他のコロナ関連商品には見劣りしますが
、通常よりはお得な取り扱いになっています。
まとめ
今更ながらコロナ資金の解説をしました。
調達していてもセーフティの種類についてよくわかっていない場合は
確認していただいて今後の調達方針の一助となれば幸いです。
また、調達できていない方は緩和要件も合わせてもう一度検討して見てください。
借入を増やしたくない方も普段一本化できないものも一本化できるチャンスなので
メインバンクに相談して見る価値はあると思います。